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「日本の祭りを読み解く」真野俊和/吉川弘文館 その②

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和泉国日根野(現在の泉佐野市)を例にとり、中世に出来た宮座という組織について語られる。宮座は、今も存在し、地域に根付いた組織になっているようだ。

※写真は蟻通神社のウェブサイトのキャプチャです。

1500年の飢饉の頃の記録によると、村人が盗みをしたことへの処分について、お上の処分よりもさらに厳しい、一家全員を殺す、ということを取り決めたとのことである。お上が、それはやり過ぎだと思ったほど、それだけ宮座の自治力はつよく、また飢饉のぎりぎりの状況のなかでの結束が強かったのだろう。

その宮座が、変化をしながらもいまも存在しているということは、その組織体の中に中世が息づいているのである。

私は過去が無くなっていくことを悲しんでいたが、古い物が壊され新しいビルが建とうと、今の世界の中に過去が存在しているのだ、と思えて、少し気分が楽になったのである。

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